ニキビ(尋常性ざ瘡)
ニキビとは
ニキビは尋常性ざ瘡とも言われ、毛穴に皮脂が詰まって面皰(めんぽう:白ニキビ・黒ニキビ)や紅色丘疹(こうしょくきゅうしん:赤ニキビ)・膿疱(のうほう:膿をもったニキビ)ができる皮膚の病気です。
毛穴に皮脂が詰まっている状態は面皰(白ニキビ・黒ニキビ)と言われ、毛穴が詰まって皮脂がたまり、その中でアクネ菌が増殖して炎症を起こすと赤ニキビと言われる丘疹、膿をもった膿疱、さらに悪化すると嚢腫(のうしゅ)になり、硬く盛り上がって硬結(こうけつ)ができます。強い炎症の後には、凸凹した瘢痕(はんこん:ニキビ痕)を残すことがあります。
ニキビの原因
ニキビの原因は様々ですが、主に毛穴に皮脂がたまるとニキビができます。
思春期には、性ホルモンの働きにより、皮脂がたくさん分泌されるためにニキビができます。
成人では、ストレスによるホルモンバランスの乱れ、間違ったスキンケア、不規則な生活、栄養欠乏などによってニキビができたり、月経前に悪化したりすることがあります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎とは、良くなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする皮膚の病気です。
アトピー性皮膚炎の原因は、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)と、皮膚のバリア機能の低下です。
主な症状は「湿疹」と「かゆみ」で、良くなったり悪くなったりを繰り返し(再発)、なかなか治らないこと(慢性)が特徴です。一般的に、6カ月以上(乳幼児では2カ月以上)続くと慢性と判断します。
アレルギーを起こしやすい体質の人
ご家族にアトピー性皮膚炎や喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギーなどの人がいる場合、その体質を受け継いで、やはりアレルギーを起こしやすくなることがあります。また実際にご本人がそういう病気をわずらったことがある場合も、アレルギーを起こしやすい体質と考えられます。このような体質のことをアトピー素因と呼びます。
皮膚のバリア機能
皮膚は、表面の皮脂膜やその下の角質細胞、角質細胞間脂質などがバリアの役割を担っており、外からの物質の侵入や水分の蒸発による皮膚の乾燥を防いでいます。アトピー性皮膚炎では、これらの「皮膚のバリア機能」が弱まっているため、外からの異物が容易に皮膚の中まで入りこみやすい状態になっています。「皮膚のバリア機能」はもともとの体質もありますが、皮膚を引っかいたりこすったりといった物理的な刺激や、汗、石鹸、化粧品、紫外線などによっても低下します。
検査
血液検査:総IgE値、特異IgE抗体値、好酸球値、LDH値、TARC(ターク)値等
- 総IgE値
- アレルギー体質があるかどうかの指標
250IU/ml以下を正常値とする
- 特異IgE抗体値
- ダニ、スギ、小麦、卵白、牛乳、大豆、カンジタ、マラセチアなど
- 好酸球値
- アレルギー体質があるかどうかの指標
4%以下を正常値とする
- TARC値
- 重症度の指標
500〜700pg/ml以下になると良くなってきていると考える
治療
薬物療法、スキンケア、悪化因子への対策という三本柱があります。
薬物療法
皮膚の炎症を改善するためにステロイド外用薬又はタクロリムス軟膏を毎日塗り、痒みのない、しっとりスベスベの肌(寛解導入)を目指します。
その後、間欠塗布をしばらく(1〜2ヶ月)継続し、ステロイド外用剤を塗る日を減らして、保湿剤に移行していきます。
スキンケア
体を石鹸などで洗って汗や黄色ブドウ球菌、ダニアレルゲン等を洗い落とし、保湿剤を塗ります。
悪化因子への対策
食生活や腸内環境を整えることが大切です。
蕁麻疹
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帯状疱疹
帯状疱疹の原因
帯状疱疹はヘルペスウイルスの一種である水痘帯状疱疹ウイルスが原因で起こります。水痘(みずぼうそう)罹患後、潜伏していたウイルスが、ストレスや老化、過労、病気などによる免疫低下などが契機となり再活性化し、帯状疱疹として発症します。帯状疱疹がうつることはありませんが、水痘にかかったことのない人にはうつる可能性があります。その場合は帯状疱疹ではなく、水痘として発症します。
通常は生涯に一度しか発症しませんが、免疫低下などでまれに再発することがあります。
症状は一定の神経支配領域に一致した皮膚に沿って帯状に小さな水ぶくれが多数出現します。一般に体の左右どちらか片側にのみ症状が出ます。体のどの部分にもできますが、顔面に生じた場合は眼症状や顔面神経麻痺等合併することがあり注意が必要です。
治療
治療は抗ヘルペスウイルス薬の内服や点滴が行われます。疼痛などの症状により、鎮痛剤やビタミン剤などを使用します。また、体力が落ちているときに発症するので、安静にすることも大切です。
水虫(足白癬、爪白癬)
水虫とは
水虫は、白癬菌(はくせんきん)という真菌(カビ)が皮膚に寄生することで起こる感染症です。白癬菌は足だけでなく、手、頭など身体のどこにでも感染し、部位によって、シラクモ(頭部白癬)、タムシ(体部白癬)、インキンタムシ(股部白癬)など、異なった病名がついています。白癬菌は、皮膚の角質層や毛髪の成分であるケラチンというたんぱく質を栄養源としてすみついているため、その栄養源があるところなら、どこでも白癬になります。
白癬菌は、高温多湿の環境を好むため、気温が低く空気が乾燥している間、水虫の症状は治まっています。しかし、気候が暖かくなってジメジメしてくる頃に症状が現れます。
爪の水虫
爪が白や黄色に濁っていたり、もろくなっていたり、爪が厚くなるなどの症状があれば、爪白癬(爪の水虫)の可能性があります。爪白癬は、爪に白癬菌がすみつくことで起こります。これは、爪が角質層と同じケラチンという成分でできているためです。皮膚科の水虫の患者さんを調べたところ、その約半数に爪にも白癬菌が発見されたという結果も出ています。
爪白癬は普通の水虫と違いかゆくも痛くもないために、水虫だと気がつかずに放置されるケースが多くあります。
水虫の感染経路
水虫は、水虫の人と直接足を触れ合うことがなくても、うつります。水虫の人が素足で履いたスリッパ、歩いた床や畳などに白癬菌がばらまかれているためです。
特にバスマットは、湿気を好む白癬菌が発育しやすいので、水虫の人がいる場合には、バスマットから他の人に水虫がうつります。
ばらまかれた白癬菌は足についても、付着した白癬菌が感染するには24時間以上かかります。角質層に入り込まない限り、菌は簡単に落とすことができますので、足の指の間までていねいに洗って乾燥させることを心がければ、白癬菌の感染を防ぐことができます。 ただし、足に傷があると12時間でも感染してしまいます。足を傷つけないために、ゴシゴシ洗いはやめましょう。
水虫の治療
水虫には通常、塗り薬(外用薬)が用いられます。
外用薬は、おふろ上がりに塗るのが効果的です。塗るときは症状の出ている部分だけでなく、指の間から足の裏全体に塗るようにしましょう。また、症状が治まっても、しばらくの間は塗り続けるようにします(最低3ヵ月は塗り続けるようにしましょう)。
爪白癬や角質増殖型の場合は、厚い角質層や爪の中まで外用薬の成分が浸透しにくいので、まず受診することをおすすめします。水虫であるかどうかを検査し、症状に応じて、外用薬や飲み薬(内服薬)が処方されます。